いつかの現在地

2019/8/30引越し

過去

アンカー

1月のまま12月を迎えたカレンダー。 去年の4月からずっと。一日一日、必死で。 毎日が分岐点で。いつ終わってもおかしくなくて。 でも結果、ここまでなんとか来れたから。来れてしまったから。 痛くても、辛くても。ニコニコと。明るく、前向きに。 何か聞…

過去11

卒業式も終わり、国公立大学の後期試験がやってきた。 判定がCくらいで、試験が日本語の小論文だけだったから、という志望理由。 書く練習もせず、本番は時計も忘れて散々だったが、奇跡的に合格した。 一応東京の私立大学の合格は決まっていたし、何しろ勉…

日記9

2月○日(前期選抜前日) せっかく学校で友達を過ごして楽しい気分で帰ってきても、家に帰れば、いつもの言い争いが待っている。 ほら、僕の言いたいことなんて全然伝わってないじゃないか。聞かなきゃ。 仕事ばかり。体が痛い。休みがない。心配が絶えない。…

過去10

やはりセンター利用の私立大学には受かっていた。 これで自己採点の結果がそれなりに合っていることが確認された。 前期試験は志望通り、模試ではE判定続きのT大学に出願した。 担任も親もそのことになんら反対せず、快諾してくれた。そりゃあセンターの点…

日記8

翌日。 学校へ行って自己採点。 静かな教室にすすり泣く声がこだまする、みたいになっているかと思ってたけど、みんな元気だった。 結構みんなもう自己採点してあるようだった。先生の説明によると、何やら予備校などに提出する紙を記入しなくてはならないよ…

日記7

試験一日目終了。 政経は緊張もあって、いきなり始めの3問が分からない。でも明らかに答えが分かるやつもあって落ち着き、いつもの模試と同じような、できたようなだめなような感じ。 世界史は特別授業でやってきた模試と合わせてみて、その中でおそらく一番…

過去9

センター試験一日目が終了した。 僕は文系だったので、一日目に主要科目が集まっている。つまり、一日目の科目の出来でだいたいの方向が決まる。 その一日目の出来。 もう夜には河合塾を始めとして各予備校が各科目の答えを出しているので、しようと思えばも…

過去8

そんなに熱心に勉強できないのは、あまり大学に行く気がないからだろう。 勉強していろいろなことを知って、周りの友達たちと一緒になって受験勉強をしているのは面白い。しかし、志望の大学に行きたいといった思いはほとんどなかった。そんな自分を甘い奴だ…

過去7

センター試験3週間前。 本番と同じ会場、同じ時間スケジュールのもと、プレテストが行われた。 その結果はあまりに冴えないものだった。 国語はギリギリ100を超える点数で、英語も110点前後。リスニングは半分。8割以上とれたのは生物の80点だけで、残りの科…

過去7

高校3年。受験生だ。 周りの受験生と比べて自分は少し異質だった。 夏休みの間も学校で補習が行われる。冷房も入っていない暑い教室で、友達たちとこれができたできないと言いながら勉強するのはとても楽しかった。点が上がった、それ昨日やってできるように…

過去6

そこにある様々な要素を考える。 それぞれが持っている思いと苦労。そこで敵対している者同士では分からない中立の視点。偏りのない考察。 この時、自分の気持ちや思いも、そこにあるひとつの等価な要素として考える。自分の思いを特別視しない。それらを基…

日記6

4月29日 突然何の意欲も無くなった。 それまでは漠然と見えていた未来、球技大会、テスト、学校で弁当を食べながら友達と過ごす時間、学園祭、読みたい本、それら全部がもやもやに隠れてしまった。本当に隠れてしまった。頑張れと言われても、頑張れない。頑…

日記5

2月○日 父の勤めていた会社はとうとう倒産した。 うちでもとっている地方紙の一面に、十数億の負債を抱えて云々と大きく載っていた。 最近では、父は朝の6時に家を出て日付が変わるころに帰ってくるという状況だった。 もしあんな状況がもっと続いていたらど…

日記4

11月29日 妹が学校で靴隠しの犯人にされた。 ご飯の時もお茶を飲む時もみなそろって顔を合わせる。話すタイミングなら十分にあったはずだ。なのに、なぜ、妹はそれを僕だけに相談したんだ? あんたらが自分の苦労を売り込むことでいっぱいいっぱいだからだよ…

日記3

9/30 ほーんとうんざりする。毎日毎日ぴゃーぴゃーがーがー怒って叫んで。お前の趣味は怒り叫ぶことか。子供にとって大事なことだのなんだのって。テスト前の子供の周りで常時怒り叫び声が上がって、誰かを怒鳴り散らしている家族がいることは子供にとってど…

日記2

9/23 普通の人はそんなにいちいち、その行動の先の後悔やそこに関わる他人の気持ち、未来に起こることを考えずに行動してるんだ。 高校生なんかは特に。けいたもひろきもりゅうじもあきらも。なのに、僕は考えて考えて、ほとんどどんな行動でも後悔しなきゃ…

日記1

6/12 父の口から出てきた言葉。 ワールドカップどころじゃないわ。生きるので精いっぱい。金食い虫。 今のあなたの充実度は?と聞かれたら限りなくゼロに近いと答えるだろう。今はもう何がしたいのか分からない。隠してるから分からない。 近所や世間の評価…

過去5

喧嘩して、気に入らないことがあったら祖母や祖父は2、3日くらい家を出ていける。ところが、僕や妹はそうはいかない。子供たちを安全パイとして考えていないか?なぜ僕がこんなに悩まなければいけないのか。 家族を大切に思う気持ちと、怒りや憎しみが混ざり…

過去4

残るのは形のあるものだけで、心は目に見えないから残らない。 過去の苦しみには自信が持てない。 祖母と祖父の諍いは収まらない。 妹は部活で帰りは遅いし、休みの日もなかなか家にいられない。 だから、自分がなるべく家にいるようにしなきゃいけない。母…

過去3

2月。兄は見事志望大学への合格を決めた。 これからは、勉強やそれ以外のことにおいてもう兄に頼るわけにはいかない。今まで以上の責任感を感じた。 そして、相変わらず祖母と祖父の喧嘩は続いていたし、この状況から抜け出せる兄を羨ましく思った。 4月。兄…

過去2

高校生になった僕は次第にいろいろなことを知った。 いつも祖母の言う事に肯定的な母。二人で世間話をして笑っている。 その母が、母の実家で見せたうちの祖母に対する激しい悪口や陰口。 母のいない時に電話で話す祖母の口から聞こえてくる本音。 そしてい…

過去1

中学生の僕はたびたび祖母と対立した。 その偏った考え方と自分勝手な言動にいちいち突っかかっていった。 家族の中で表立って祖母と対立するのは自分だけで使命感のようなものも感じていた。 ある時、父に向けられた、その気持ちを踏みにじりあまりに配慮に…