いつかの現在地

2019/8/30引越し

過去10

やはりセンター利用の私立大学には受かっていた。


これで自己採点の結果がそれなりに合っていることが確認された。

前期試験は志望通り、模試ではE判定続きのT大学に出願した。

担任も親もそのことになんら反対せず、快諾してくれた。そりゃあセンターの点を見ればいけるかもしれないと思うのも仕方がないのかもしれない。でもそれは僕の実力じゃない。ただのラッキーだった。言っても分かってもらえるわけもない。

しかし、なかなか勉強に身が入らない。祖母と祖父の対立も続いている。ホントに進歩しない。変わらない。このままなのだろう。このまま終わってしまうのだろう。




ラッキーパンチで実力以上の点数を出して、それでぎりぎり合格ラインに乗れる程度の人間が、5人に1人の倍率の中で選ばれるわけがない。この大学に出願するレベルの220人のうち、170人よりも自分が優れているわけがない。そう思いつつも出願してみたのは、やはり心のどこかで、でももしかしたら…という考えがあったからだ。



そして、試験を受けてきた。


結果の発表を待つまでもない。体調も良かったし、過度な緊張もなかった。
時間配分がどうとかそういう話ではない。圧倒的に自分の力不足。
国語も英語もとにかく埋めるだけ。数学に至ってはそれすらできなかった。

回収する時に、他の受験生たちのびっしりと埋められた解答用紙を見えた。ほとんど真っ白な自分の解答用紙がダサくて恥ずかしかったが、こんな問題をヒントもなく解くことができる同年代の人たちがいることに、感動みたいなものを感じた。


自分のセンター試験の結果は本当に出来すぎだった。自分の実力はこんなもん。そして、こんなにすごい人たちがいる。

それがはっきりと感じられて、すっきりした気分だった。


翌日

いつものとおり、特に用もなく学校の図書館へ。
友達の顔を見つけて、お互いに昨日の試験の話。その後、絵本を読んだり、ウォーリーを探したり、自称数学なら任せろなやつに昨日の問題を渡して、顔を真っ赤にしながら解いている様子を見て笑ったり、そんな時間を過ごした。こんな時間が本当に楽しい。
でもこれももうすぐ終わってしまう。

家に帰れば下らない言い争い。爆発しそうになり、踏みとどまり、不完全に燃焼していく。



そして卒業式前日。

最後のホームルーム。卒業したらもう会わない人もいる。明日いよいよ僕の高校生活が終わる。