いつかの現在地

2019/8/30引越し

アンカー

 

 

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1月のまま12月を迎えたカレンダー。

 

去年の4月からずっと。一日一日、必死で。

毎日が分岐点で。いつ終わってもおかしくなくて。

でも結果、ここまでなんとか来れたから。来れてしまったから。

 

痛くても、辛くても。ニコニコと。明るく、前向きに。

何か聞かれたって

「大丈夫です!」って。「もう治りました!」って

 

意志と信念と、あと何だろう。

偶然ここまで歩いて来れてしまったから、こいつが偶然毎日無事に綱を渡ってここまで来てただけだと誰も知らない。

 

本当は本当に全力で。持ってるもの全部使い切っても仕方ないって覚悟して。

いろんなものを諦めて。手放して。置き忘れて。

何を落としたのか数える余裕もないくらい、何を失くしたのか思い出す時間もないくらい。もう、取りに戻れないくらい。

 

ビタミンよりも睡眠がほしい。栄養より休養がとりたい。

どんなに、食事に気を付けて、前向き思考で自分を騙しながら、薬を飲んでごまかしても。

心も身体も限界で。やっと少しだけ、息が付けるかなって。

 

そんな状態なのに。襷が回ってきた。

 

 

 

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今までの自分たちが、いろんなものに支えられ、いろんな「好き」に力をもらいながら、リタイアしそうになりながら、コースアウトしかけながら、それでも踏ん張って、ここまで今まで繋いできてくれた大切な襷。

 

なのに、いまの自分は、心も身体もぼろぼろで。

これまで全部を背負って立つには、あまりに非力で。弱々しくて。

 

あんなに必死に、こんなに懸命に。

残し、繋いできてくれたその襷を最後に受け取るのが、こんな自分なのかよって思うと、悔しくて。悔しくて。

 

本当はもっと、万全の状態で受け取りたかった。

おう、任せろって。笑って胸張って走りたかった。

 

今の自分には、それはあまりに荷が重すぎて。

これまで全部の自分の代表を務めるには力不足で。

好きだったもの、大切にしてきたこと、失くしてしまいすぎて。

 

 

一方で、周りの人たちはみんな楽しそうに。嬉しそうに。

「あいつならきっといつもみたいに上手いこと走っていくんだろうな」って。楽しみにしてるって。悪気もなく。無邪気に。疑いもせず。沿道からの声援はどんどんと大きく響いて。

 

違う。上手くなんかない。誰も知らない。

ここまでどれだけ悩んで迷って諦めて振り絞って走ってきたのか。誰も知らない。

 

違う。別に誰も悪くない。自分が決めてそうしてきたこと。

だってそもそも、「もともとゴールまで走り切るつもりがなかった」から。

だからこそ、そんなにこんなにここまで全力疾走して来れたんだ。

 

はじめから、僕には最後まで走り切れる燃料が残っていなかったから。

だから残ってる力全部で、せめて一つでもたくさんの楽しいをまき散らして、途中でも最期まで全力で終わろうって。

 

ゴールまで、走るつもりはなかったのに。

本当ならもっとずっと前に、とっくの昔に終わってるはずだったのに。

 

力をくれたから。たくさんもらったから。

いつの間にか。ずっと前に諦めたゴールに届くところまで。いつの間にか。

 

 

受け取らないはずだった襷。走るはずのなかった道の続き。

 

 

行くしかない。進むしかない。

ちゃんと頭が回っているのか分からない。こんな状態で正しい判断ができるのか。

だけど選ばなくちゃいけない。進まなくちゃいけない。一人で。

 

周りから聞こえる声援のためじゃない。それだけじゃない。

背中を押された気がした。行きなよって。しっかり見て来いよって。自分たちの分まで。

 

全部は持っていけない。連れてはいけない。

最初描いていた道とは全然違う。周りの景色も、人も。未来も。

本当は100%で向かいたかった。

ここまで連れてきてくれたあれもこれも一緒に連れて行きたかった。

今まで全部の延長線の上に今の自分がいて。

忘れたくない、失くしたくない、覚えていたい。

だから、みんなで一緒に行けたらいいなって思ってた。だけど。

 

一人で行こう。自分が行こう。

今いる場所は、今までみんなが連れてきてくれた場所。いつかの現在地。

 

 

覚悟は全然できてない。そんな時間もなかったから。

迷いも惑いも消えてない。全くぬぐい切れてない。

本当に進んでいいのか。力は残っているのか。期待に応えられるのか、責任は持てるのか。見たことのない先。不安しかない。

 

だけど、少しずつ。

すぐには無理でも一つずつ。

今までの自分たちが示してきてくれたように。

そして、その道の途中でまた出会えたら。

 

 

忘れても、無くなるわけじゃない。

失くしても、無くなったわけじゃない。

 

無くなったって、無駄にはさせない。

そのための襷。なかったはずの未来。

 

 

 

 

ここまでずっと繋いできたこのお話もこれできっとひと区切り。

 

ありがとう。