いつかの現在地

2019/8/30引越し

過去1

中学生の僕はたびたび祖母と対立した。

その偏った考え方と自分勝手な言動にいちいち突っかかっていった。
家族の中で表立って祖母と対立するのは自分だけで使命感のようなものも感じていた。


ある時、父に向けられた
、その気持ちを踏みにじりあまりに配慮に欠けた祖母の発言に対し、中3の僕は我慢がならなかった。
夕飯の時間になっても父は二階から降りて来ず、怒りながら自分の主張を繰りかえしている祖母以外に誰も口を開かなかった。僕がむきになって反発したばっかりに、余計に祖母の機嫌を悪くしてしまった。

相手を言い負かすことしか考えていなかった自分に後悔し、夕飯後、再び祖母の前に座りただ自分の気持ちだけを伝えようと思った。だから話す前に「これは口喧嘩なんかじゃないから、ちょっと話を聞いて。」と前置きをした。祖母も「わかった。話してみなさいよ。」と答えてくれた。

ただ家族のことが大切で心配なだけ。きっと分かってくれる。そう思った。


そして、僕は何年かぶりに人前で泣いた。


全然伝わらなかった。
結局ただの口論になってしまった。


次の日も、その翌日も家族間の雰囲気は険悪なままだった。
しかし1週間も経てばすっかり元の穏やかなものに戻っていた。

ただ、どんなに真剣に思いを込めても話が通じないことはあると知り、

またこれ以降、祖母の言動には反発せず、聞き流そうと決めた。