いつかの現在地

2019/8/30引越し

過去5


喧嘩して、気に入らないことがあったら祖母や祖父は2、3日くらい家を出ていける。ところが、僕や妹はそうはいかない。子供たちを安全パイとして考えていないか?なぜ僕がこんなに悩まなければいけないのか。

家族を大切に思う気持ちと、怒りや憎しみが混ざり合い自分を混乱させる。
自分のしたいことをするのと、家族の期待に応え、必然的に必要とされる働きをすること、どっちを選べばいいんだ。
自分までもが好き勝手にやったらきっと間違いなく家は崩壊する。
それらを抑圧しながら生きていくのと、家族の行く末から目を離して、思ったことを自由に口にすること、どっちを選べばいいんだ。


その葛藤や悶々とした思いは、外に吐き出れずに、ただひたすら日記帳に書き記されていく。そのうちに書くのが追いつかず、日記は実際の日付からは大きく遅れてゆき、携帯電話には宛先のない未送信メールが80近く溜まっていった。
 


父の勤める会社はかなり厳しい状況にあるようでく、日に日に帰る時間が遅くなり、家の中では頻繁に、それこそ3分間に1回は溜め息をついていた。

それにも相まって、祖母と祖父の諍いは家族内に波及し、母と父の間でも言い争いが平気で繰り広げられるようになり、状況はますます悪化していった。