いつかの現在地

2019/8/30引越し

過去6


そこにある様々な要素を考える。

それぞれが持っている思いと苦労。そこで敵対している者同士では分からない中立の視点。偏りのない考察。

この時、自分の気持ちや思いも、そこにあるひとつの等価な要素として考える。自分の思いを特別視しない。それらを基にそこに起きていることの原因を考える。どうしてそうなっているのか。その原因はどうして生じているのか。そしてそこから、今ここで自分がとるべき行動を考える。

どうしたら争いを最小限に抑えることができるか。機嫌良く過ごしてもらえるか。

それが家にいるときの自分の行動指標となっていた。


その行動指標に基づくとき、自分の気持ちや意志はその障害となる存在だった。

自分の思いが邪魔をする。ほとんどの場合、自分の気持ちとは反対の選択を選ぶことになる。
そのため、家の中では必然的に自分の思いや気持ちを抑え押し殺していた。
一番の課題はそれだった。目の前の理不尽な状況に否応なしに湧き上がってくる思いを抑え込むこと。殺しきること。


高校3年ではずっとそんなことをしていた。


自分の思いや感情をコントロールすることは成長なんだと、大人になることなんだと思っていた。
だから、自分を押し殺し慣れたころ、前に比べて自分は成長したなぁと思っていた。