いつかの現在地

2019/8/30引越し

音程一致90%という壁

 
 
 
 
長らく、目標の一つとしていた精密採点「音程一致90%」という目標。
 
 
 
 
 
「プラリネ」 ジュリア(cv愛美)
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「スマイル」 江崎とし子
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ようやく、ついに、生まれて初めて、達成しました。

自分の声で、自分の身体で。




まともな練習を始めて2年、歌い始めてから数えると約5年かかりました。

とても感慨深いです。長かった…。



私は、精密採点の結果自体はあんまり気にしていなくて、そりゃもちろん低いより高い方がいい気分になるし、90点!とか言われて悪い気はしないけど。

採点結果が60点でも、とにかく人が聞いてかっこいいとか心地よいとか感じてくれる歌が歌えるなら別にいいやとは思いつつ。

 
この「音程」という要素については、人に歌を聴いてもらえる歌を歌えるためには、絶対に避けて通れないところだろうなと、結構早い段階から感じていました。




カラオケ関係まとめ記事でよく見かける

「音程が合っていることと上手く歌えているかどうかは別問題」 とか
「音程が合ってるだけでいいならみなプロになってるわ」 とか


それ言ってることは本当によく分かるんですけど、

人が聞いて「上手い」と感じる歌や、感動する歌を歌うには、音程がある程度合って
いることは、逆に絶対に前提として必要だろうと。



「音程が合っていれば上手く聞こえる」 とは限らないけど、少なくとも、
 
音程も合っていないのに上手く歌えること、ひいては、相手に届けられる歌を歌うこと」 は、絶対にありえないだろうと思っていました。今も思っています。
 
 
だから、私にとって音程力を磨くことは、最重要課題でした。





一番きつかったのは、身体の入力側(聞く方)の音程感はだいぶ上達してきた、はずなのに、何回歌っても、音程一致80%程度だったとき。


出力側の練度が不十分で、歌いながら「あ今外した、合ってないな」って分かりながら歌って80%とかならまだ全然希望はあるのですが、自分の耳では合ってる、そんなに外してないと判断してるのに音程80%だったとき。


これはもう絶望ですね。

だって外したことに気付けないならそれは、もう根本的に耳の音程識別が壊れているということで、もし根本的に耳の音程識別がずれているなら、そんな耳で何回頑張って合わせて歌おうとしたところで、絶対に合わない。


むしろ間違った音を繰り返し練習して覚えてしまう悲劇。
壊れた鍵盤で何回練習したって絶対演奏できるようにならないのに、それが壊れているって気づくこともできてない状態。


イメージしてる音がただ出力できていないだけなら、何回も練習して磨くことができるけど、一番信じるしかない自分の耳が始めからズレてるならもう気づくことも修正することもできないので、本当に絶望です。




で、実際私はこの現実にぶち当たりマジで絶望したので、ヤマハのミニ鍵盤を買って、無料のチューナーアプリを使って、ドを押しながらあーって声を出す練習から始めました。

これまでの人生でまともにドレミに触れたことのなかった自分の耳に、正しいドレミの音程を覚えてもらう。

とりあえずそこが固まれば、あとはなんとか自分の耳と声で練習できる。



そう思って2か月ほど鍵盤押してあーあー言う練習を繰り返し、耳の精度もだいぶ上がった。その実感もあった。

なのに、採点をしてみるといつまで経っても85%の壁を越えられない。


何回やっても同じくらい。

歌詞を捨てて「あー」だけで歌ってみても86%。

かえるのうた、ちゅーりっぷ、ゆうやけこやけ
単純な童謡でやってみたって90%には届かない。
 
 
なんなの!?どんだけ判定厳しいの!?確かにずれてるとこはあるけどだいたいは合ってるじゃん!
 
 
なんで、どうして、って思ってました。それがこの6か月間ずっともやもや…。






今回その壁を初めて超えられた勝因を分析し、仮説を立ててみました。


1 出力側(発声)の練度が上がった
 喉の筋肉とか脳の神経系とか、繰り返し使うことで精度が上がったんだと思います。スポーツと同じですね。基礎練習の反復。時間をかけて身体に覚えさせていく。凡人に必須な要素です。

2 リズムがずれてた 
 ぶっちゃけこれです。これが主な要因です。




 短くて単純な童謡ですら85%だった原因はこれです。これまで何百回も自分の録音を聴いていたはずなのに、どうして気づかなかったのか…。

 つまりどういうことかというと、私の歌う歌は全部歌声が演奏に遅れてるんです。

 テンポという要素。
 私の中では、音程をy軸、テンポをx軸というイメージで整理していますが、私の歌はこのx軸がほとんど全部一曲まるごと微妙に遅れてるんです。





 それに気づいたきっかけは、ちょうど自分が録音した歌とまったく同じ歌を歌っているほかの方の音源を聴く機会があって。

 自分の歌った音源は、音程を外している箇所はあるものの、今の自分にしては結構上手に歌えた方だと思ったんですが、ほかの方の音源と聞き比べてみて、すごく違和感を感じました。

 確かに部分的に音程を外してはいるけど、それ以上になんというか全体すべてを通して残念な感じがしました。


 この残念感はなんだろう。って何回も繰り返し聞き比べて、やっとティンときました。

 リズムがずれているんだと。
 自分の他の録音した歌も聞いてみました。見事に全部ずれてました。


 これまで音程制御ステータスばっかり鍛えるトレーニングをしてきたので、私のリズム感ステータスがレベル2くらいまでしか育っていないことはもちろん原因の一つではあるのですが、

 このズレは、演奏が聞けてなくて遅れたり走ったりしてるというよりは、むしろ「これで合ってる」と思って合わせた結果、起きているズレ、という感じでした。

 しっかり演奏を聴いて、わざわざちょっと遅れた位置に合わせて歌ってるという状態です。




 なんでそんな無意味で余計な歌い方をしていたのか。
 ちょっと考えてみました。すぐにわかりました。


 音程を合わせるためです。

 私の歌の練習場所は、ほぼ車の中です。
 毎週末の実家との往復の4時間半の車の中。それが私の歌の練習タイムです。

 あーってやるトレーニングとか、裏声発声練習みたいな「ボイトレ」は家の中でもできるけど、実際に歌を歌う「ボーカルトレーニング」は、大声を出せる車の中で、実際に曲を流しながら歌うしかないです。

 前述のとおり、私は自分の音程力の乏しさに並々ならぬ自信があったので、とにかく音程を合わせることに必死でした。

 しっかりとCDの歌を聴いて、同じ音を出して、ずれてないか確認して…そういう練習ばっかりしてきました。


 そうするとどうなるか。
 お手本のCDの歌声と合っているか確認するために、自分の声を実際の歌より少し遅れて出すことになるんです。

 ①CDの歌声をしっかり聴く
 ②自分も同じ高さの音を出して歌う

 ①が入るせいで、無意識に演奏よりも少し遅れて歌う癖が染み込んでしまっていたんです。

 そしてそれは、自分が何回なん百回と練習してきた曲でこそ顕著に現れる。自分では合ってると思ってる(実際は遅れてる)。
 
 そのことに気づいて、確かめてみたくて、ひとりカラオケに行きました。
 意識して、いつもより、自分がどんぴしゃだと思ってるタイミングよりちょっとだけ早めの意識で歌ってみました。そしたら初めて音程90%に届きました。
 





 まぁあくまで仮説なので、精密採点をやったのは3週間ぶりくらいだったし、単純に音程操作能力が向上しただけの可能性もありますが…。


 ただ、演奏よりも少し遅れた位置で無意識に歌ってしまっているって発見は、私の中では結構重要な気づきだったので、分かってよかったですというお話でした。(なげーよ)
 
 
 

なので、もしも、「いつまで経っても音程一致90%以上にならない…」
「だいたい合ってるはずなのにどうしてどうして…」ってなってる方がいたら、歌ってるリズムに着目してみるといいかもしれませんよ!!



 ということで、課題はまだまだ山積ですが、少し希望が見えてきました。

 あと二か月。もしかしたら一か月。
 全力でがんばります。





以下、おまけ


【おうたのきろく(H30.7.4)】
 
UNION!!!歌ってみた


ミリシタの一周年記念の曲です。まさにミリオンライブ。

 まだCDも発売されてないしカラオケに配信されてるわけもなく、でも我慢ができなくて、オートライブの音源を録音して、カラオケにポータブルプレイヤーを持ち込んで歌ってみたやつです。
 もちろん歌詞も表示されないので、結構うろ覚えですし、相変わらず音は外してます(リズムも遅れてる)が、あーこの男、この曲が好きでしょうがないんだなってのは伝わってくるかと思います。


 まだイベント期間中だったので、たしか初見から1週間くらい、歌の練習をしたのは2日間くらいで録音したものなんですが、それが自分的には結構すごくて。



 百回以上聞いた歌でもキーを変更してしまうと、音程が行方不明でまったく歌えなくなってしまっていた私の初期値からすると、そんな平日たかだか2,3時間練習したただけで初めて聞いた曲を一応歌えるようになるってこと自体、本当は今の状態だけでも奇跡なんです。

 1年練習してもmid2G#が出ない。きっとそもそも自分には身体構造的に無理なんだろう。鼻炎もあるし喉も弱いし、高音の限界値には個人差あるってどのネット記事にも書いてあるし、仕方がないんだ。って

 人前で歌って何が楽しいんだろう。歌える曲なんてないし。無理に盛り上げて疲れるだけ。カラオケなんてこの世界からなくなればいいのに。って

その頃の自分からしたら、こんなノリノリで自分の大好きな曲を歌ってる自分は1ミリも想像できなかったと思います。


 
 
 「無駄なことなんてない!!」
 「頑張ればいつか届く!!」

 とは全く思いませんが、すでに今の自分が自分にとっては本当に信じられないくらいすごいことなんです。



 どっか途中で、どうせ才能ないし他に上手い人なんていっぱいいるし別にいいやって投げてたなら絶対にたどり着かなかった自分に今なってる。

 だから、この挑戦は多分あと二か月、もしからしたら一か月で終わりますが、結果、どこまでいけたとしても、やってみて良かったなって思います。


 ありがとう。