いつかの現在地

2019/8/30引越し

音痴で高音も出ないからカラオケに行っても宇宙戦艦ヤマトくらいしか歌えない男がどこまで歌えるようになるかの途中経過(2017.9.3)






最初期

高校3年の時、初めて行ったカラオケ。いつも聞いていた天体観測を歌い、1番サビで喉が枯れ、2番サビの途中で声が出なくなる。
2回目に行ったカラオケでは、高いところを裏声で歌ってみたが、演奏でかき消されて声が全然聞こえず、地声に切り替えたところ2番サビの途中で声が出なくなる。

自分の歌のセンスのなさに絶望。二度とカラオケには行かないと誓う。





転機

大学生時代は、カラオケに行きそうな空気になる前に姿をくらます技術に磨きをかけ、ついに4年間で一度もカラオケには行かず。

しかし、社会人1年目の送別会の二次会で逃げ切ることができず、カラオケに連れていかれる。
酔っぱらいの下手くそでうろ覚えな宇宙戦艦ヤマトをみんなで熱唱し、初めて「歌うのって楽しいかもしれない」と思った。

このころから、実家へ帰る車の中で、眠気覚ましも兼ねて歌い始める




1年目

社会人2年目の秋、出張先で初めて自分の意思でカラオケ店に足を踏み入れる。
あれから半年以上車の中で歌っていたし、少しだけ自信があった。
ヘッドフォンを付け、レコーディングみたいなマイクで歌ってみた。絶望した。高音が出ないとかそんなレベルの話じゃなかった。

自分の声の気持ち悪さ。リズムずれずれ、ただの棒読み、音はずれまくり。あまりの下手さに泣きたくなった。
部屋を2時間で注文してしまったので、知ってるアニメのOPを適当に入れて歌ってみた。もちろん一オクターブ下。

そしたら、一応一曲全部歌えた。
女性ボーカル曲なら、一オクターブ下げれば一応歌えることが分かった。

 



2年目

高速道路の運転中はだいたい歌いながら。ただの棒越えから少しだけ歌声っぽくなってきた。
 
だけど職場仲間とのカラオケで一オクターブ下で歌ってみても微妙な反応で、確かに自分でも聞いてて、盛り上がりに欠けてて面白くない感じで。

高い歌を歌ってる人を見ればやっぱり羨ましいなって思って、高い声を出す方法をネットで調べたり、自分なりにいろいろ練習したり。

そもそも生まれつきの個人差があること、ミックスボイスなどという魔法のような発声方法があること。
裏声を強くすればいとか、ずっと歌ってれば出るようになるとか、腹式呼吸、リップロール、舌根と喉仏、声帯閉鎖がどうとか、何とか筋がどうとか。

いざ調べてみると声の出し方とか練習動画とか、関連する情報が山のように出てきて、でもどれが正しくて効果があるのかも分からない。いろいろ試して、ごく稀に、今まで出せなかった高さの音が出せることがあって。

 
調べていく中で、その歌の高さを表す音域という指標があり、JPOPの中で唯一知っているBUMPの曲の大半が、mid2G#という音の高さを出すことができれば歌えることが分かった。
mid2G#の音が歌えるようになれば、とりあえず仕事の付き合いのカラオケは凌げる

明確な目標ができた。
 

 



3年目

相変わらず時間があれば歌っている。
裏声で歌ったり。いろんな声の出し方をしてみたり。

でも、劇的な変化はない。
調子が良い時に、ときどき一曲分だけ歌いきれるくらいの高音(mid2G)が出るくらい。

調子が良くてその程度で、飲み会後の疲れた喉では全然歌えない。

2年以上続けていて変わらないってことは、生まれつき自分にはここまでなんだろう諦めてはじめていた。ある程度納得もしていた。


そんなとき、同じ係に入ってきた一年目の後輩と職場の若手みんなでカラオケに行った。彼は履歴書の趣味にカラオケと書くほどカラオケが好きな子だった。

そこで初めて彼の歌声を聞いた。

 
衝撃を受けた。
音程が合っているとか高い音が出るとか、そんな部分的なお話じゃなくて、とにかく上手だった。
CDや映像じゃなくて、リアルに目の前の人間が発している歌声でこんなに上手な歌は初めてだった

彼が歌った曲は、ミスチルの擬態。初めて聞く曲だった。
彼の歌声に聞き入った。いい曲だなと思った。その場で初めて聞いたその歌をいい曲だなと思った。鳥肌がたった。

こんな歌が歌いたいと思った。

自分の大好きな歌を歌って、それをたまたま居合わせた初めて聞くひとに、「いい曲だな」って感じさせることができたなら。


もう一回だけ、本気でやってみようと思った。

数あるYoutubeの練習動画の中で、一番これだと思った人のボイトレ本を購入した。
そのとおりにトレーニングを始めた。柔軟、筋トレ、呼吸の強化。

その年の3月、ついにBUMPの曲のサビの高音が出せるようになった。何曲かなら続けて歌えるようになった。信じられないくらいうれしかった。


だけど、録音させてもらった彼の歌と、自分の歌を何度も聴き比べた。
歌い始めから全く違っていた。第一声からすでに上手い。高音だけじゃない。音の置き方、音程の安定感、声の響き、根本的に違う。

上手いと感じる歌と自分の下手な歌、何が違うのか。何回も聞き比べた。

ずっと願っていた高音が出せるようになったけど、でも、上手い歌にはほど遠い。
 
それでも、やっとスタートラインに立てた実感があった。


 
 
 
 
4年目

ときどき、hiA(粉雪のサビと同じ高さの音)が出せるようになってきた
相変わらず音は外すけど、原曲を裏声やオク下で繰り返して練習しておけば、キーを変更しても、まったく音程が分からないということはなくなった。

おかげで、歌うことのできる曲の範囲が爆発的に広がった。

暇さえあれば、好きな女性ボーカルの最高音域を調べては、キーを下げて歌えそうな歌を探していた。
キーを4つ下げれば、だいたいの曲は理屈上hiAまでの音で歌うことができる。夢のように感じた。ひとりカラオケに行って、好きな曲、高い曲、いろいろ試した。
もちろん歌えない曲もたくさんあった。難しい曲もあった。

正直、舞い上がっていた。
続けていたトレーニングをさぼりがちになった。それでも一応高音は出せていた。
それっぽいビブラートもいつの間にかかけられるようになった。

うぬぼれていた。
体調をくずしたりしていたこともあって、秋から冬にかけてほとんどトレーニングをしていなかった。前より楽に高音が出ないのは喉の具合が悪いから仕方がないと思っていた。

今年の3月。
後輩の友達たちと一緒に、初めてのメンバーでカラオケに行った。そんなに調子も悪くなかった。
そこで私は私の大好きな曲、私にとって特別な曲、プラリネを歌った。

苦しげな1番のサビ。スカスカの2番のサビ。全く声が出なくなったラスサビ。
苦笑い。一応の拍手。

死にたくなった。
自分の大好きな曲をこんな形で、初めて聞く人たちに届けてしまった。みんなにとってのプラリネという歌が、こんな程度のものになってしまった。

最悪だった。悔しかった。






4年半(現在)

筋トレ、柔軟、呼吸練習。全部基礎からやり直し。
やっていく中で、いつの間にか、喉で調整するだけの発声になってしまっていたことに気づいた。
2か月でようやく前と同じくらいのレベルまで戻った。

それからさらに3か月。少しは進歩した。

その日の調子に関わらずhiAくらいならいつでも出せるようになった。
もちろんただ出せることと歌えることは別。

音程の一致率は相変わらず歌いこんだ歌でも85%程度。
高音の連続する部分では、やっぱり苦しくなる。
他が徐々に改善されていく中でリズム感の悪さが露呈しつつある。

音が合ってるだけじゃなくて、聞いていて気持ちいい歌を歌いたい。
自分が楽しいだけじゃなくて、聞いてる人にも楽しんでもらいたい。
大好きな歌を、自分にできる一番いい形で届けたい。


まだ足りない。全然足りない。











 
というわけで、

あと1年のうちに達成したい目標を立てました。
前置きが長すぎる)

 

1 音程一致率90%以上達成を10曲以上(音程強化)
2 完全感覚dreamerを一番だけでいいから歌いきれるように(高音強化)
3 のど自慢出場(そしてアイマス曲を歌う)

 1は、絶対達成したい。
 2は、かなり厳しめ。チャレンジ目標。
 3は、夢。無謀、というか歌のレベルどうこうの前にいろいろと障害はあるけれど、自分の「好き」を届ける場としてこれ以上のものはないかなぁって。ふざけ半分。

あと、ここまでずっと自分の歌のダメなところばっか挙げてきたけど、そろそろいいところも見つけていかないとね。




自分の限界がどこなのか。今なのか、まだ先なのか。

分からないけど、もう少し諦めないでいようと思います。