私には向いてない
一応、自分の中での期限みたいなものを決めてあって、
それが今年の10月初旬です。あと、4か月。
ぱっとみ結構時間あるじゃん、と思うけど、
私の歌声が、5年間かけて果たしてどんだけ変わったのかと冷静に考えてみれば、決して長くはないです。
むしろ、要点を絞って、何が足りないのか、それは練習でどうにかなるものなのか。間に合うのか。どんな練習をする必要があるのか。
ちゃんと考えないと多分、今までとほぼ同じままで4か月後を迎えることになる。
現状維持では足りない。もっと目的と手段を追求しないと。
がんばろうって。気合を入れなおした矢先。
喉だけじゃなく頭や耳の奥まで広がる鈍痛。ポカリを飲むことすらしんどい痛み。
初日に発熱してあとは5日間、抗生物質と鎮痛剤を飲んで、自宅療養。
仕事も2日間、病欠。
診察の時に、先生に言われました。
「もともと扁桃腺が腫れやすいんだね。」と。
そう言われたのは別に今回が初めてじゃないです。
他人は大丈夫なことでも自分は大丈夫じゃない。
もともと喉が腫れやすいのも身体が丈夫な方じゃないのも、自覚はしてました。
今回のだって、喉を使いすぎてどうこうというんじゃなく、仕事の方で、睡眠時間を削ったりしてたので、単にストレスとか睡眠不足が原因だと思います。
それでもやっぱり、歌は諦めようと思いました。
自分にはあまりにも向いてない。
人よりも腫れやすい喉の体質。
慢性的なアレルギー性の鼻炎。
がんばってどうにかならない部分。
「健康を害してでも、無理してでも、俺は歌を歌い続けるぜ!」 とか?
ないです。
そういう気持ちは全くないです。
だって私が伝えたいのは、そんな意地張った、悲壮感に満ちたものじゃなくて、
「聞いてほら!めっちゃ楽しくない?かっこよくない?えっ、初めて聞いた?この曲はね…」
って思われるような、思わせるような、自分の好きな歌たちのそんな楽しさやかっこよさを伝えられるように。
それが一番だったので。
病院のベッドで点滴を受けながら、天井の模様で意味のないあみだくじをしながら、考えていました。
もう、歌について頑張るのはやめようと。
淡々と。
それで人に迷惑をかけるのは本意でないし。
別に自分が命を削ってやることでもないし。歌上手い人なんかいっぱいいるし。
でもまぁ、一応ここまで自分なりに頑張っては来たんだし、せめて今の自分の音源くらいは録っておこうかなと。
そんなことを考えていました。
全然上手くはないけど、(昔の自分よりは)上手くはなってるし。無意味ではなかったよなと、ある程度、納得もできました。
そして今日。ずっと寝ていたおかげか喉の痛みもほとんど取れて。
明日出勤したら書類の山が積み重なってるだろうなと、気を引き締めなおして。
一週間ちかく、具合悪くて全然進めていなかったミリシタのイベント、一回だけやって寝ようと。楽曲は花ざかりWeekend*
まるでディスコミュージックみたいなOL応援歌。
満足に飲み食いもできない痛みと寝ることもできない絶望の5日間に萎えきった今の自分の心境とはあまりにもかけ離れた明るい曲調。
なのに、その楽しげなリズムと煌びやかなMVにしばし見とれ、口ずさんでました。無意識に。
治ったばかりで歌なんか歌ったらいけないって、慌てて口を閉じましたが
やっぱり油断すると自然と鼻歌が漏れてしまう。
もう誰に聞かせたいとかじゃなく、一人でいたって歌ってしまう。やっぱり歌ってみたいって思ってしまう。
改めて思いました。
私は、私が思っている以上に、歌が好きなのかもしれない。下手なくせに。
きっともう一生、死ぬまで続いてくんだと思います。
自分が好きと思える歌に出会った時のときめき、心の震え。
この気持ちと感謝をカタチにする方法は、今の私には自分の声、歌うことだけ。
何か楽器でもできたらよかったな。とも思うけど。
やっぱりそれはもうちょっと、自分の声でがんばってみてから考えます。
いつでもそう、くちびるには歌を。