いつかの現在地

2019/8/30引越し

ららマジ第十幕「雨だれ」感想

 
 
【注意】
 ららマジメインストーリー第十幕のネタバレが含まれています。
 
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「2017年夏公開予定」
 
と予告されてから待ちに待ったメインストーリー第十幕が2017年10月20日についにリリースされました。こんなに夏を待ってた秋は初めてです。
 
いったい誰を調律することになるのか、予告の男の子ボイスは誰なのかなどいろいろと話題を呼びました。私もワクワクしながらその週を過ごしました。
 
10月20日当日。
私はというと、金曜日の仕事から帰ってきて、まったりと夕飯を食べ、ららマジ強化40を周回しながら軽く筋トレをし、同日開始されたミリシタのイベントを走りながらリリースの20時を迎え十幕配信開始のプッシュ通知を確認しつつも、高ぶる気持ちを落ち着かせながらエアロバイクで1時間ほど汗を流し、きき湯の効いた風呂にゆっくりと浸かり、ふろ上がりのラジオ体操をしながら体をほぐし、歯を磨き、パジャマに着替え、イヤホンを差し込み、電気を消して、布団にもぐり、ららマジ10幕を始めたのが10月20日23時33分のことでした。(前置きが長い)
 
だって待ちに待った十幕だよ!!万全のコンディションで楽しみたいじゃん!!
 
 
 
しかし正直不安でした。
 
これだけ待たされて引っ張られて、当然にハードル爆上げした状態で、しかも三章構成ではなく一章完結で、「あれ…こんなもんだっけ?」ってがっかりしそうで少し怖かったのです。
 
実際、フタを開けてみれば、実は三章構成でしたー!なんてサプライズはなく予告通り一章完結。
なにより、次回第十一幕は冬配信予定(具体的な時期未定)と、じゃあ一体何が原因でそんな遅延してたんだという声が出るのも分かります。まーた待たされるのかよって気持ち、完全に同意です。
 
でも今言いたいのはそこじゃないのです。ちがうのです。
 
 
 
 
 
 
 
第十幕「雨だれ」、最高でした。
 
 
私は、前々から言っているようにららマジのストーリーが好きです。
 
ららマジというゲームは、夢世界での戦いとか魔法少女だとか美少女30人に対して男1人だとか、設定こそよくありそうな魔法少女学園バトルハーレム系の、悪く言えばありきたりなものです。
 
 
新キャラ!新スキル!っていかに新しいものを絶えず供給していくかという、速度と目新しさが求められるソシャゲ業界の中で、ららマジはどうしてそこに力入れちゃったのって言いたくなるような、丁寧で高品質なストーリー演出に定評があります。(私調べ)
 
はっきり言ってストーリーなんてどんなに一生懸命作りこんだってスキップされたらそれで終わりだし、一回読んだらやっぱりそれで終わりだし、読んでくれたからって即利益につながるわけじゃないし、ぱっと見で可愛いキャラやカードを次々と投入して、集金した方が効率がいいはずなのに。
 
 
ちなみに、私はテンプレ的ラノベ展開も好きです。ちょろいヒロインとかご都合ハーレムとか。巷で批判されているような作品でも私は割と楽しく見られます。それはそれ。これはこれ。
 
 
 
ららマジのメインストーリーでは、それぞれの心の傷をたどりながら、奪われてしまった救いを探して進んでいきます。
 
そこには、血を流したり残虐に奪われたり、壮絶な過去を持っていたり、そういう設定とかぱっと見で分かる過酷とか困難とか運命とかはあんまりありません。
 
描かれるのは、十代の等身大の悩み、痛み、葛藤。単語一つで表せない苦悩未満の小さな劣等感、焦燥感、疎外感など
 
いつもホーム画面で笑って、照れて怒ってる、その子たちが抱えてきた心の傷、乗り越えてきた痛み、器楽部メンバー同士の繋がり、絆。
 
メインストーリーが配信されるたびに、そんなものを見て、知ってしまって。
 
それでその子のことを好きにならずにいられるはずがないんです。
普通の日常的なセリフ、言動、その表情一つ一つがたまらなく愛しく思えるのです。
 
だから、私はそんなららマジのストーリーが大好きなのです。
 
 
そして、昨日第十幕やりました。(さっき聞いた)
 
第十幕「雨だれ」、最高でした(2回目)
 
 
 
今の私がどんなテンションなのかは、投稿日時からお察しください。()
 
というわけで、
以下、第十幕の個人的感想を垂れ流します。(前置きが長すぎる)
 
 
 
 
 
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器楽部の活動実績として定期演奏会をやりたいという話で盛り上がる音楽室。そこに現れたのは、まだ呪いが解けていないはずの春香でした。
 
歓迎しつつも心配するメンバーに、笑顔を見せる春香。しかしやはりノイズの影響かその場で倒れてしまう。心の音を聞いたチューナーたちは春香の調律のため、夢世界へ乗り出す―。そんなストーリーです。
 
 
先に一応、春香ちゃんのご紹介を。
 
 
 
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公式ホームページより
 
 
そうですね可愛いですね。
 
 
向井春香は高等部2年生。主人公であるチューナーの一つ先輩にあたります。
上の絵を見てもらえばお分かりのとおり、初見からしてすでに最上級に可愛く、私がららマジを始めたばかりのころは、そのふんわりボイスと豊かなボディに魅入らされ、ずっとお気に入りに登録していました。☆4で一番最初にレベル100にしたのも春香お姉ちゃんでした。
 
一方で、語尾に~なのですとつけて喋ったり、ところかまわずお昼寝したり、夜は8時には眠ってしまったり、ことあるごとに自分のことをお姉ちゃんと呼称したり。ある意味ちょっとあざといというか、年齢に対して少し遅れているというか子供っぽすぎるように感じる人がいてもおかしくはないかなと思います。
 
 
 
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わたしはねこさんになりたい。ぎゅーされたい。
 
 
 
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知的好奇心を満たすために心の傷を探しています。
 
 
 
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目をそらしながらチラチラ見た人! はいっ!!
 
こんなネタにしか見えない選択肢が実はのちに分かる春香のコンプレックスに繋がっていたりして、本人の気持ちを置いて変わっていってしまう身体と、否が応にもそういう目で見てしまうクラスの男子視点をプレイヤーにひっかけてくる本当にニクい選択肢。ららマジこわい。(誉め言葉)
 

 
曇天の夢世界で出会った春香の自我のかけらは、さらに幼児化していて、「みんなでいっしょに」「ずっといっしょに」楽しく遊びたいと繰り返します。
 
傷が何なのか分からないままノイズと戦うチューナーたちですが、戦いの中、春香の自我のかけらはどこかへ消えていしまいます。
 
分からない傷の在りか、降り出した雨。
雨降る屋上で出会ったのは、器楽部に入部したころの春香の記憶でした。
 
 
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論理と分析で厳しく正しく指導する蒼先輩との個人練習。天才肌のロジカル科学者とマイペースなふわふわ少女。見るからに噛み合いそうもない組み合わせ。
蒼先輩の理論的効率的で厳しい練習を続けるも、初歩のマウスピースの音出しすら全然できるようにならない春香。
 
 
これは私の想像ですが、春香は楽器の演奏に限らず、勉強でも体育でもあまり要領が良い方ではなかったのではないでしょうか。
 
人より遅れていたり、呑み込みが悪かったりして、きっと本人は一生懸命まじめにやってるのに、天然さんに見られたり、思春期の男子からは好奇の目で見られたり、時にはイライラじれったく思われたりすることもあったかもしれません。
 
これは別に誰が悪いってことじゃなくて、しょうがないことです。私自身振り返ってみると、そういう子、クラスにいた気がします。
 
 
 
 
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明確な将来のビジョンを持ち、己の道を進んでいる蒼に対して、春香は高校生って大人なのでしょうかと問いかけます。
大人にならなければいけないのか。将来のこととか、夢とか、恋とか。しなければいけないのでしょうか、と。
 
それに対して蒼先輩が天然科学者ボケを発揮し、エリクソンの発達段階について語りだすところで記憶の残滓は終わります。
 
当然、蒼先輩はウケを狙っているんじゃなくて、いたってまじめに答えています。そこがいい。科学者特有の天然脱線ボケ。かわいい。
そして、これがただのボケで終わらず、蒼先輩のこの一貫性がのちのちの春香の救いにもつながっているところがすごく良い。
 
 
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凜ちゃんのメイン見た後だとなかなかに印象深いセリフですね。好き。
 
 
 
 
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名台詞のデパートと化したホニャ。
ホニャって本当人の心の在り方を上手に言葉にしますよね。ホニャ語録だけで名言集作れそう。
 
 
強まる雨。それは傷の核心に近づいている証拠。
 
 
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冷静に見えて実は感情的な凜ちゃんと、理論的で冷静な蒼先輩の掛け合いが素敵です。凜ちゃんの蒼先輩に対する不満感や軽い自己嫌悪を避けずにきっちり描いています。
 
 
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再び雨の屋上。そこで見たのは、春香の中等部の記憶でした。
 
この回想はもうスクショじゃ伝わらない。つうか載せたいシーンが多すぎて絶対容量オーバーなる。このシーンについて叫ぶだけで多分記事3つくらい余裕で書ける。
 
 
 
 
幼いころから仲良しだった3人。ずっとこんな時間が、こんな関係が続けばいいのにって思ってた。 たとえ、世間や時の流れがそれを許さないとしても、私たちはみんな、3人とも、同じ気持ちだって思ってた。
 
でも、違ってた。
 
将来を見据えて、先へ進んでいくあーちゃん。それを前向きにとらえているりょー君。先に進んでいく周りのクラスメイト。まだ変わりたくない。このままでいたい。そんな気持ちを抱いているのは自分だけに思えて。不安で怖くて。
 
そして、卒業式の直前の雨の日。打ち明けられたりょー君の想いに、どうしたらいいか分からなくて、怖くて、逃げ出してしまった。
 
逃げた先は雨の降る屋上。いつも蒼先輩と練習をしていた屋上。けれどそこには「いつも」の蒼先輩の姿はなくて。
 
変わっていく「いつも」の日常。その「いつも」がずっと続くはずなんてない。
 
そんな現実をまざまざと突きつけられているようで。分かっているのに変われない自分がみじめに思えて。ただ雨だけが冷たく降り続いて。
 
 
 
ここの圧倒的演出力、ららマジの真骨頂。
 
この普遍的なテーマ。別れ。変化への不安。大人になるということ。
 
このシーンの受け取り方、刺さり方はきっと人それぞれです。
私は頭殴られたみたいな衝撃を受けました。心に響き渡りまくりました。後述。
 
 
BGMも相まって最終戦前の最高の盛り上がり。ノイズの正体とか夢世界の仕組みなんかどうでもいいから、ただただ春香を助けたいという凜ちゃん。冷静にブチ切れる蒼先輩も超熱い。
 
ここでいよいよディスコードの登場。名前は「リグレッション
 
 
 
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この名前でウーパールーパーみたいな姿のディスコード。後で意味を調べて納得しました。そしてちょっとかわいい。
 
ディスコードの名前ってカメレオン姿のピグマリオンとか遊園地の過剰適応とか結構凝ってて、心理学かじってると少し意味が分かってさらに面白い、かもしれません。
 
 
 
 
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雨の降る屋上で立ち尽くしていた春香に後ろから声をかけたのは蒼先輩でした。
体温の低下は体調不良を誘発する原因となるからと、タオルをかけてくれて。
 
それは、心配とか、優しさとか、気づかいとか、じゃなく。
ただただ、「いつも」の蒼先輩で。
 
どうしたの、何があったの、全部話して一緒に背負わせて、って寄り添うのも優しさなら、その逆、何も聞かない何も話さなくていい、そんな「いつも通り」がたまらなく心地よいそんなときもあります。
 
 
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ここの蒼先輩の声色が本当に優しい。
 
 
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初めて見た蒼先輩の笑顔。
 
 
変わりたくない、変わらなくちゃいけない。そんな葛藤の中で、初めて出せたマウスピースの単音。一つの「できない」が「できる」になった小さな変化。
 
いつまでたってもできるようにならない。ホルンの演奏。変われない自分。
ずっとこの関係が続いていけばいいのに。変わっていく日常。
 
自分も変わらなくちゃ、でも怖い、変わりたくないって震える自分の背中をそっと押したのが、初めて自分で出せた一つの音。
 
 
ちゃんとあなたも変われるんだよ、変わっても大丈夫なんだよって、勇気を与えているみたい。
 
 
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わたし安っぽくみられるのが嫌で、「神回」「神演出」とかここ数年使ってなかったんですが、
 
これはマジで神。
 
 
 
 
 
 
それはとても小さな変化だけれど、初めて変われた自分に出会って、それをおめでとうって一緒に喜んでくれる人がいて。
 
いつもと変わらない蒼先輩との時間が、変わっていくことへの小さな勇気をくれたんです。
 
 
 
蒼先輩に自覚がないのもまた良いです。
 
そんな蒼先輩だから春香は見つけることができたし、受け入れることができたんだと思います。変わらないいつもの中で、変わっていける小さなきっかけを。
 
 
ていうか春香ちゃんのシーン何なの。綺麗すぎでしょ、窒息しそう。
蒼先輩の優しい勘違い。ホント好き。飛び上がるほど好き。
 
 
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そして畳みかけるように屋上の練習シーン。
 
演奏の上達という確かな変化に合わせて、少しずつ変わることに向き合えるようになっていくこの過程の描写。秀逸です。
 
 
 
そしてそれもまた、一緒に共有してくれる人、見ていてくれる人がいるからです。
 
こんな最高に最高な先輩なのに、蒼先輩にその自覚がないのがホント感動しながら笑えます。
 
 
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「小さなころ憧れていた、素敵な大人のお姉さん。」
 
それは将来の夢とか進路とか、そんな具体的なものじゃないかもしれない。
でも、春香にもちゃんとあったんです。きっとただ気づいていなかっただけだったんです。
 
あーちゃんやりょー君と同じように、なりたい自分。変わっていく力。
 
 
そういえば、春香ちゃん、誕生日イベントで子供たちと遊んでましたね。
 
それは、変わりたくないから、子供のままでいたいから子供たちと遊ぶ春香ではなく、自分のなりたい姿、素敵な大人のお姉さんとして子供と遊ぶ、成長した春香ちゃんそのものでした。
 
凜ちゃんが見た春香ちゃんもきっと、変化におびえてあいまいに笑う春香ちゃんではなくて、不安を抱きながらもなりたい自分へ自分の足で進み始めた春香ちゃんの姿だったんでしょうね。
 
 
 
救いのきっかけを与えてくれたその子も、本当は壁にぶつかり悩んでいて、その子に救いを与えたあの子も、本当は怖くて震えていて。そう見えなくても、みんな傷つき悩んでいる。
 
 
別に完成されてなくていい、完璧でなくていい。
 
きっとそうやって、完璧じゃない未完成な少女たちが、気づき、傷つき、築いてきた絆と場所が、器楽部なんです
 
 
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 こうやってちょっとずつ、心の距離って近づいていくんだなぁって。
 
 ていうか何なのこの充実感、多幸感。
 こんな泣きそうになりながら笑顔になっちゃうスマホゲームある?
 
 
 
 
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 僕はそのとき、ただただ優しい気持ちに包まれていた。
 そう、幸せはここにあったんだ。
 
 
 
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いやほら、よくいるじゃないですか。
ニコニコとかSNSですぐ、「泣いた」とか「涙腺崩壊」とか書き込むやつ。
 
うそつけよ。そんな簡単に泣くかよ。大げさすぎて萎えるわ。って私だいぶひねくれてるのでそういうノリ、結構冷めた目で見てるんです。ドライなんです。ドライアイなんです。
 
 
 
 
 
 
泣きました。
 
近寝るとき喉乾燥しないようにマスクして寝るようにしてるんですが、セルフ濡れマスクになりました。しょっぱい。
 
 
 
 
なんなんでしょうね。このゲームアプリ。
 
もう本当意味が分かりません。力の入れどころが分かりません。(感激)
 
 
ららマジ第十幕、最高でした。(三回目)
 
 
ららマジを、この物語を、この子たちを、生み出してくれた、出会わせてくれたみんなにありがとうって言いたいです。ありがとう。
 
 
 
 
 
 
 
少し、自分語りします。読み飛ばしてください。
 
唐突であれですが、私は今年で28歳になります。高校を卒業してもう10年以上が経ちます。
 
 
 
だからか、最初、春香の苦悩を見たとき、深く考えもせず「あー、わかるわかる、」って思いました。
このくらいの歳ってそんなこと考えるよねって。懐かしいねって。あったあったそんなこと。って。
 
もう通り過ぎた大人の顔して。どうせそのうち乗り越えられるからって、みんな同じだからって、軽く笑ってそれで終わり。 
 
でも二回目の記憶に触れたとき気づかされました。それってなんて上から目線なんだろうって。
 
今、まさに、真剣に悩み葛藤してる彼ら彼女らにとってそれは、「懐かしい」とか「しかたない」で片付くものじゃない。今、現在進行形で戦っている。
 
きっと高校生の自分が、今の28歳の自分と出会ってそんなこと言われたら、多分、ああこいつも他の大人と同じだわ。何にもわかってない。分かろうとしてくれてないって軽蔑しただろうと思います。
 
「誰でもそうだから」「そのうち分かるから」って。
「だからしかたないよ」って。
「はいはい、がんばれー」って
 
それでおしまい。
 
本当に寄り添うこともなく忙しそうな顔して適当に右から左へ流して、高校生のときあんなに嫌っていた嘘と効率にまみれた上から目線の大人になっている自分に気づいて、ショックでした。
 
もちろん、嘘と効率は必要です。それは大人になって、生きていくうえで絶対必要なものなんです。
大人に対して、あるいは何か敵を作って、ただつっぱっているだけなら、逆にそれは問題です。まぁそういう大人も結構いますが。
 
でもあれほど、この気持ちは忘れないでいようって、ちゃんと同じ目線で考えられるような大人になろうって思ってたことを、今の今まで忘れてしまっていたことがショックでした。
 
 
私は中学の時のクラスが大好きでした。みんな仲良くて、団結していて、毎日楽しくて。それと比べてこれから先に楽しさが見いだせなくて、高校に進学してからも仲の良かった中学のクラスを思い出して、数か月ぶりの同窓会で、やっぱあの時のクラスが最高だったよなって言おうと思ったら、他のみんなは毎日とても楽しそうで、新しいことにチャレンジしていて。あれ、自分だけなのかなって、不安になって。閉じこもって。
 
私は思ったような高校生活が送れませんでした。部活には入れず、勉強も平凡で、遊び方も分からず。それは家族の事情、自分のこと、いろんな理由があって、生きれば生きるほど生きる意欲がなくなっていきました。
 
そんな中で、進路に心理学部を選んだ理由は、別に自分はいつ死んでもいいけどせっかく生まれたんだから「だれか一人でも助けたい、支えたい」それから死にたい。って思ったからでした
 
そんな私もいま、社会人5年目。その時想像もつかなかったほどにまっとうに生きています。
周りから見ると結構立派なやつに見えるそうです。毎日楽しそうだなってよく言われます。
 
いますぐ死にたいわけじゃなくて、できるだけたくさんの人を楽しませて笑わせてそれから死にたいなって、今でも思っています。なのに忘れてました。
 
 
 
「自分とは何か」とか。「将来への不安」とか。
 
そんな青春期の葛藤を、大人になってもずっと繰り返してたらそれはそれでおかしな話で、そんなことより、今実際に目の前にある問題とか、納期、仕事、家族のこと、今を生活していくために必要な金や時間やあれやこれ。
 
 
 
けれど、そうやって今目の前の問題に立ち向かっている大人の自分のそれと、高校生の自分が立ち向かっていたそれが、同じくらいに真剣なものだったことを、私はこのストーリーで思い出しました。大げさかもしれないけど、もしこのストーリーを見ていなかったら二度と再会することのなかった過去の自分の気持ちを思い出せました。
 
 
 
 
 
 
 
将来への不安、変化への不安、前に進むための小さなきっかけ。
 
多分、ららマジやってなかったら、このストーリーを見なかったら、きっとこのまま死ぬまで思い出すことはなかったと思います。
 
感謝です。
ららマジをこの世に生み出してくれた皆様に感謝です。
 
 
このストーリーを見終わった後の充実感。満足感。
これがららマジです。
 
 
 
「お前だけじゃないよ。」(だから我慢しろ)
「みんな同じなんだよ。」(だから甘えんな)
 
 
そんな一言で片付けない、ちゃんと耳を傾けたい、寄り添いたい。
 
 
 
そんな素敵な大人のお兄さんになりたい。私も。
 
 
 
 
 
忘れていたあの頃の自分に会える
 
これからの自分にもう一度向き合える
 
 
学園RPG『ららマジ』