いつかの現在地

2019/8/30引越し

「ららマジ」の好きなところ(3)

 
 
【注意】
以下、「ららマジ」第一幕及び第二幕のストーリーのネタバレが含まれています。
実際にプレイしてからご覧ください。
 
 ららマジ公式HP (http://raramagi.wrightflyer.net/pc/
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第2幕第3場第8章 
 
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ららマジのメインストーリーはどれもみな素晴らしいのですが、
 
その中でも、私がとりわけ大好きなシーンがこちらです。
 
 
 
 
プロの演奏家になりたくて、努力して、努力して、努力して、最高の演奏ができた。
けど落ちた。本選にさえ残れなかった。
 
 
何か油断したところがあるならともかく、失敗したところがあるならともかく、全力で、自分のベストの演奏ができて、それで落ちた。
 
 
なんかもう、紗彩ちゃんでなくとも
 
「ああ、自分にはここまでなんだな」、ってきっと誰でも思います。
「もう悔いはないや」 ってきっぱりと諦めがつくかもしれません。
 
 
 
 
持って生まれたもの。
天才と凡人。
 
どうにもならない差、壁、限界。
 
 
全力だからこそ、直面する自分の限界。
真剣に望んだからこそ、才ある人に嫉妬して、悔しくて、みじめに思ったりもして。
 
 
そんな紗彩の、このセリフです。
 
 
 
第2幕第3場第10章
 
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「あんたの音楽は、まずあんたのためにある」
 
 
 
 
 
私の胸を打ったセリフです。
 
上手く歌えるようになりたくて、練習を始めて数年経つけどまだ全然上手に歌えなくて、才能ないのも分かってるけど、今でも諦められずにいる、
 
私の胸に響いたセリフです。
 
 
 
 
 
紗彩ちゃんみたいに、厳しい音楽の世界で生きたことがないので、それがどれだけ厳しく辛いものなのか、本当のところは私にはわかりません。
 
 
だけど、こんなにも嘘つきで、正直な台詞、聞いたことありますか?
 
 
 
ららマジのストーリーって、別に安易な鬱展開はないけれど、そこが好きなんですけれど、意外と現実寄りにシビアな部分があります。
 
 
才能はないけど信じて頑張っていれば、叶うよね! →叶わない。
ちゃんと向き合って話をしてみればきっと伝わるよ! →結局ケンカになる。
 
 
 
 
何か主人公の優しい一言一発でお悩み解決、みんな仲良し!ハーレム万歳! っていうよりも、
 
 
前に進むきっかけになったある日の出会い。とか
一歩を踏み出したいつかの出来事。とか
 
 
そういう、器楽部のメンバーそれぞれ互いに小さな、けれどたくさんの積み重ねと繋がりを感じる部分が多々あって、
 
いい意味でちょろくないというか、簡単すぎないというか。
 
 
…すごく話が脱線しましたが、
 
 
 
 
 
そもそも、これと似たようなセリフって、これまでにもいろんな映画や作品でもうたくさんあると思います。
 
主人公が、あれこれと悩んだ末に
「とにかく楽しめばいいんだ!」→結果、ベストパフォーマンスして優勝
みたいな展開、いかにもありがち。
 
 
でも、例えば紗彩ちゃんが吹っ切れたところで、天才に敵わないという純然たる事実は、依然としてそこにあります。
 
別にいきなり上手くなったりもしません。
でも、聞く人の心を動かす演奏ができます。チューナーくんの心に響いたように。
 
もう、できていたんです。本当は。気づいていなかっただけで。
 
 
そしてそれは、紗彩ちゃんが、プロを目指してひたむきに努力してきた毎日があったから身についている技術であって、
 
確かに、コンテストに出たら優勝はできないし、もっと上手い人はいるだろうけれど、
 
その道のりが間違いだったなんて、ましてや無駄であったなんてこと、一つもないんです。


だから、私には、「紗彩ちゃん」の「このセリフ」が、とても胸に響きました。

 
 
 
 
 
プロになりたくて、努力して、努力して、自分が天才でないとわかっていて、
それでも多分、まだ諦めていない。
 
諦めていないけど、本当に一番大切なことは「プロになること」ではなくて。
好きだから。音楽が好きだから。楽しいから。
 
だけど、楽しければ下手でもいいやなんてきっと紗彩ちゃんは思っていなくて。
 
 
 
 
だから、このセリフは、そのまま言葉どおりに
 
「自分が楽しきゃそれでいいや」 なんていう、あきらめではなくて。
「どうせ自分には才能なんてないし」 なんていう、投げやりでもなくて。
 
 
 
やっぱり、そのまま言葉通りに、
 
 
あんたの音楽は、「まず」あんたのためにある。
わたしの音楽は、「まず」わたしのためにある。
 
 
 
 
 
 
「まず」 なんです。
 
 
プロを目指す気持ちを否定するわけじゃなくて、
上手くなりたいって、期待に応えたいって気持ちを否定するわけじゃなくて、
 
 
その音楽は、「まず」は自分のためにあるんだよって。
 
 
 
 
萌ちゃんのストーリー第8幕を読んでるときにも思いましたが、
 
 
頑張ったから出来るようになりました!叶いました!
 
じゃなくて、
 
今はまだ出来ないけれど、それでも一歩一歩進んで行ける強さとか、支えてくれる大切な仲間とか。支えてあげたい大切な仲間とか。
 
 
 
そういうのって今時、古臭いのかもしれないけど
 
ららマジのそういうご都合になりすぎない、でもひたむきで真っすぐなところが、勇気をもらえて、本当に素敵だなって思います。
 
 
 
 
 
 
 
音楽が好き
 
気持ちのいい音を出せたとき、心の底から嬉しい
 
 
誰かと音を重ねて、それが綺麗に合わさると、すごく気持ちいい
 
音楽が誰かの、なにより、自分の心を動かせるって知ってるから……
 
音楽が好きだから、プロになりたいって思った
 
 
 
あなたの音楽にもう一度出会える学園RPG「ららマジ」