いつかの現在地

2019/8/30引越し

「臭いものに蓋をするな!」




「現実から目を逸らすな!」 とか

「でもそれって、臭いものに蓋をしてるだけだよね?」 とか。



見たくないものや聞きたくないものから目を逸らし耳を塞ぎたいときに、良く聞く言葉です。


「事実」という強烈な後ろ盾がこの言葉の背景にあって、「事実なんだから(反論できないよね?)」という口撃は、割と結構、日常的にもよく見かける常套句であるように感じます。


それを間違ってるなどとは思わないし、時にはそういう気持ちで現実に向き合わなければならない場面は絶対にあって、他人事であってはならないことも多々あるとは思います。思いますが。

それをまるで反論不可能な便利で最強の剣みたいに勘違いして、所構わず濫用してる人を見るとちょっとこう言ってやりたくなります。





「それじゃあ、あなたはこれから毎日トイレで飯食ってね?」


いや、別にトイレである必要もないですね。もうトイレとキッチンを分ける必要もないですよね。

面前にうんこ置いて、ハエやゴキブリの繁殖過程を追ったドキュメンタリーとか見ながら、紛争地で犠牲になった方々のリアルな報道を聞きつつ、朝ごはんを食べらたらいいと思いますよ。


嫌?何が嫌なの?

そのうんこは排泄物として間違いなくあなたの身体から出て来たものなんだよ。臭いからって遠ざけるの?
ハエやゴキブリはこうして生まれて成虫になっていくんだよ。ドキュメンタリー。事実じゃん?
あなたがこうして呑気に飯食ってる間にも、この地球のどこかでは酷いことが本当に起きているんだよ?現実から目を背けるつもりなの?




別に口論して争いたいわけじゃないです。

自分もやってることなのに、棚上げして振り回して、あげくそれに気づいていない状態に対してイラッとくるだけです。




臭いものに蓋? そんなの当たり前です。

見たくないものは見たくないし、聞きたくもないんです。



誰だって。

もしも現実を直視し続けたらみんなもれなく鬱になります。




いやもちろん。現実にしっかりと向き合わなきゃいけない時はあります。
逃げようとする自分、あるいは誰かを、その言葉で奮い立たせることだってあるでしょう。



だから、用量、用法を守って正しくお使いください。自戒を込めて。