いつかの現在地

2019/8/30引越し

あと2週間で今年も終わり。

自分にとってどんな一年だっただろうか。

ひたすら逃げていた一年だった気もするし、それでも最後にはちゃんと立ち迎えたんじゃないかと思う。



今からちょうど1年前か。 昨年12月のこの季節。
学校から帰宅中に自転車でダンプとぶつかって、また一つ体験をした。


自転車は平らになったにも関わらず、自分は平然と生き残った。
ぶつかった部分に血があふれ出ているような、久しく縁のなかった物理的なヤバさというものを感じた。

しかし、結局、ダンプの運転手から連絡を受けて駆けつけた警察の人が、ホントに君がこの自転車に乗っていたの?と驚いていたとおり、骨挫傷や打撲程度のケガで済んだ。

少なからずそのことは長らく精神面上にも影響していた。
いや、今も影響は受けている。


ケガの具合がどうこうではなく、きっと、
人に話して、うわっ大丈夫なのかよ?!と言ってもらえる、そんな手札が増えた楽しさ。そしてもしかしたら、そこで終われていたのかもしれないという悔しさとも言えない
不思議な感覚だった。




春休みはほとんど実家で過ごした。
楽しさと冷めた怒りが混在するこの家の中で、自分に出来るだけのことはやった。


成人式で会った懐かしい顔ぶれ。
平気な顔して、笑って、馬鹿言って。そんな自分。

その自分は嘘じゃない。
でも、
彼らに感じる大学生らしさ。20歳らしさ。自分にはないそれが、みんなと自分との間にある隔たりの大きさを自覚し、なおそれを明るく元気に隠し通した。

自分の続けてきた「評価されない頑張り」は、「人から見える頑張り」に費やす時間とエネルギーをむしばみ、明らかに自分の自信を小さく脆いものにしていた。




一つの結論を出した。

もう自分は周りからずれたままでいい。
評価されない頑張りも続けるし、自信もない状態でいい。

だから、なるべく早く終わらせてくれ。
誰もが仕方がなかったと思えるような、納得するしかないような終わりを。なるべく早く。




バイトもやった。
大学の研究も進めた。
友達と旅行にも行った。
就職活動にも行った。


「彼女いないの~?」
先を見ていない自分はそれを隠して笑ってごまかした。
「来年はもっと就職が厳しくなるらしいよ」
そこまで生きていると思っていない自分は考えるふりをした。
「来週研究の発表会があるよ」
ホントに来週が来ると思っていない自分は発表の準備をするふりをした。



そして、結局ここまで来ていた。

一年が経っていた。
まだ、終わりは来ていない。

そんなところか。


じゃあ、立ち向かえたというよりは、最低限をこなしてきたということか。
少なくとも、去年の大晦日の時点では、ここまで来ることを考えていなかった。

今だって、後2週間で今年が終わるとは言っていても、2011年を自分が本当に迎えるとは思っていない。



来年の12月。自分はそこにいるのだろうか。

1年後。
去年から思う今年のように、もしもそこまで自分が続いていたなら、
そしてこの文章を読んだなら教えて欲しい。


みんなちゃんと合格できたか。
パワポケ14は発売されたのか。
斎藤佑樹は1年目から活躍できたのか。

サトシはポケモンマスターになれたのか。

祖母や祖父はいつ亡くなったのか。
妹に彼氏はできたのか。
兄は元気にやっているか。
自分は今でも疲れたままなのか。


今の自分は、そこにお前がいることを信じてはいない。