いつかの現在地

2019/8/30引越し

デレマス23話 感想






心がぐらぐらしました。
いてもたってもいられず、視聴直後のこの勢いのまま、また感想を書き並べます。

見苦しいところがあったらごめんなさい。







今日の昼、いつものように職場の食堂でカレーうどんをすすりながら友人とアイマストークをしていると、22話まで見て、しまむーがなんで悩んでいるのか分からないという話になりました。


7話で壊れかけていたニュージェネを、プロデューサーを、シンデレラプロジェクトを、天使のごとく救ってみせた、あのしまむーが。

今、何にぶつかり、悩んでいるのか。友人は、それがよく分からないと。




トライアドの活動や、ソロの活動が増えたせいで、みんなで一緒にやる仕事が減っちゃったから?

それもある、というかあった、とは思うけど、多分いま一番しまむーを苦しめているのは、みんながそれぞれに挑戦して、磨いて、どんどん上へのぼっていく姿が、しまむーには自分が置いて行かれるように感じられて、焦ってるんじゃないかなぁなんて、

あんまり自信もなく、答えましたが、


23話を見て、やっぱりそうだったんだなぁって思いました。



もう2話のレッスン描写とか、ずいぶんと初期の方から描かれていましたが、しまむーは多分、そんなにダンスとか得意じゃないんでしょうね。
それこそ、初めてなのにある程度できてしまう、凛ちゃんとかとは違う。

不得手だけど、努力して、努力して、なんとか追いついて。


それが、各々新しいことにチャレンジして新しい世界へ踏み込んでいく、未央や凛を、シンデレラプロジェクトのみんなを見ていて、自分だけ取り残されているような焦りとか、迷惑をかけたくないっていう負い目とか劣等感とか。

自分も追いつかなきゃ、その一心で頑張って、頑張って、でも追いつけなくて。



養成所で一人ダンスレッスンを繰り返す彼女の姿は、もちろん辛く、哀しいものですが、才もなく努力もできない自分からしたらそれは、本当に眩しく見えます。

そしてそんな気持ちを重ねてしまうから、努力してない自分はともかく、頑張っているしまむーは絶対報われて欲しいと、強く強く願います。





そんな彼女のもとに、凛と未央がやってきます。

相変わらず、本音を見せようとしない卯月。この、二人と顔を合わせたくないという卯月の気持ちが辛いほどに分かります。


しかし、この時点では、凛と未央は、卯月が一体何に悩んでいるのかまだ分かっていません。
単に、自分たちがやりたいという理由でニュージェネ以外の活動を始めたこと、ニュージェネとしての活動が少なくなってしまっていること、が原因だと勘違いをしてます。

ミニライブには出たくない。そして、シンデレラの舞踏会にも出たくないとこぼす卯月に、凛が語気を荒げます。

「ごまかさないでよ!」

とても強い口調です。凛はさらに続けます。


「逃げないでよ!」
「そんな嘘の言葉、聞きたくない」
「嘘の笑顔なんて見たくない!」
「あの言葉も、笑顔も、嘘だったの?」
「信じられない。今のアンタ見てると」



凛ちゃんも卯月のことを心配してるからこそ、のこのキツめの発言だと思います。

しかし、これは今のしまむーには、一番辛い言葉なんじゃないでしょうか。
それはいま、一番言ってほしくない言葉と、それを言ってほしくない相手です。


天才と凡人。

何をやってもすぐコツがつかめて、センスもあって、どんどん先に進んでいっちゃう凛ちゃん。

一方の自分は、努力しても努力しても追いつけなくて、だからこそ焦って、迷惑もかけたくなくて、努力して、やっぱり追いつけなくて。


もし私なら、絶対嫉妬します。僻みます。
嘘の笑顔でごまかすどころじゃなく、汚い感情が心からドロドロと溢れてくるでしょう。

でも、しまむーは笑顔を見せ続けて、それどころか相手のことを頑張ってくださいと励まして、自分が追い付かなきゃと、自分で追いつかなきゃと、前を向いて、頑張って頑張って頑張って、頑張って頑張って。そして笑顔を見せて。


そんな苦しくて、辛くて、不安なときに、こんな言葉を向けられたら。

自分が追い付こうとしているその場所にいる、その相手から。
迷惑をかけたくなくて、でも追いつきたい、その相手から。


「信じられない」と叫びたいのはむしろ卯月の方です。
自分の気持ちを、この人は知らない。分かってくれてない。



私なら、きっと泣きながら「お前みたいな天才には分かんねーよ!」って逆切れして、埋まることのない断絶を作って、終了です。


才能もない、努力もしてない、凡人代表の私からしたら、ここの凛ちゃんは、あまりにも無配慮で、自分本位に見えます。
でも、まだ高校生だもの。しょうがないです。

こんな時は、たいてい自分も相手も傷ついて、傷つけて、きっと普通はそれで終了です。



だけど、卯月は、凛ちゃんを責めるわけでも、怒るわけでもなく、ただ、本当の気持ちを伝えます。


しまむーが泣きだした後、正直言うと、凛ちゃんには、「笑顔なんて」じゃない!と言うより前にまず、卯月の気持ちに気づいてあげられなかったことについて、まずごめんと言って欲しかったなと、思いました。

だけど、凛ちゃんにとってしまむーは、この公園、一話で見た彼女の笑顔は、きっとアイドルを目指したきっかけ、キラキラしたもの、憧れだったはずです。
そんな自分の憧れ、自分のアイドルとしての原点、今ここにいる理由。それを、「笑顔なんて」と言われたら、そんなことない!って伝えたいのは当然です。

でもしまむーの気持ちを思うと、本当に歯がゆいです。


溢れだす涙はとめどなく、泣き続ける卯月、そんな卯月に何も言えない凛ちゃん。
しまむーの抱えていた苦しさは、想いは、少しでも凛ちゃんに届いているだろうか。届いているといいな。


そんな、普通には埋まりそうにない溝を、未央ちゃんが繋げてくれます。

未央ちゃんがリーダーで、本当に良かったと思いました。
未央ちゃんがこの場所にいてくれて、本当に良かったと思いました。



辛くても、苦しくても、本心を隠し、笑顔を見せ続ける卯月は、ある意味で、もっともアイドルです。アイドルとして、もっとも必要なものを、過剰なほどに持っています。

私には何もない、そんな風に自分を卑下する彼女が、誰よりもアイドルらしい。それゆえに苦しんで。皮肉です。








しまむーの気持ちを思うと本当につらい、苦しい23話でした。


嘘の笑顔だって必要です。だってアイドルです。当然です。

だけど、それだけじゃない。全部がそれだけじゃない。
自分の心から笑う、しまむーの笑顔がまた見られると信じて。



23話視聴直後の揺れる心を、とりとめのない記事にてここに整理しつつ、24話を待ちます。